「7.地震時の状況と備え」の目次

内容

7. 地震時の状況と備え

7.1. 地震時の状況をイメージしてみる

大地震の時、どうすれば命や財産を守れるでしょう。
そのためには、地震発生後に何が起きるのか、「状況をイメージする」ことです。
人は自分がイメージしていない状況に対して、適切な備えはできません。
以下の表を参考に、どのような対応策が必要か、このマンションにはどのような機能が備えられており、何に役立つのか、考えてみましょう。

表7.1-1 地震時に想定される状況とニーズ
  時系列フェーズ     想定される状況   防災ニーズ
   共通のもの     家族構成による 
1.
地震の発生











  • 地震の発生
  • P波検知
  • 次項「7.2. 地震発生!」を参照
  • 地震発生情報の早期入手
  • 危険回避行動の早期開始
 
2.
揺れの発生
  • 建物の全体の激しい振動
  • 基礎(地盤)、構造の両面で耐震性の高い建物

    生命・財産への危険回避
 
3.
危険の発生
  • 家具・什器の移動・転倒
  • キッチンでの火災発生
  • 玄関ドア枠、ドア本体のゆがみと脱出困難
  • エレベータの停止・閉じ込め
  • 窓ガラス、室外機等の落下
  • けが人発生
  • 火災の発生防止(火事を起こさない)
  • 共用の廊下に物を置かない
  • 感震ブレーカーの設置
  • 窓ガラスの飛散防止
  • 家具、什器の転倒防止対策
  • 消火器を備える
  • 自動消火装置
  • 出入口の確実な確保
  • エレベーター閉じ込め防止
  • 医療品、担架など救命用品の確保
サポート
  • 単身生活者
  • 高齢者
  • 障がい者
  • 乳幼児
  • 妊婦等
4.
ライフラインの停止











  • 停電、断水、食料不足
  • 通信途絶
  • 埋設管の損傷
  • 屋上水槽の転倒
  • 非常用電源、飲食料確保
  • トイレ、生活用水確保
  • 携帯電話充電機器確保
5.
安否・被害の確認
情報収集等
  • 家族の居場所不明
  • マンション内安否・被害確認
  • 地方全体の被災状況把握
  • 家族内での確実な連絡手段
  • マンション内安否確認の
  • 協力体制
6.
避難、協力
  • マンション内での助け合い
  • 地元自治会との協力
  • 避難所への移動
  • 各種の共助のための事前打合せや訓練

7.2. 地震発生!

7.2.1. 想定される状況
地震が発生するとその揺れは、2つの波として伝わってきます。
はじめにカタカタと小さなゆれが伝わってきて、その後大きなゆれが届きます。

  • 初期微動
    • はじめの小さなゆれ:P波(Primary Wave,縦波・伝わるのが速い)
  • 主要動
    • あとに続く大きなゆれ:S波(Secondary Wave,横波・伝わるのが遅い)
  • 震源
    • 地球内部の地震の発生したところ
  • 震源距離
    • 震源から観測地までの直線距離
  • 震央
    • 震源の真上の地表の地点
  • 震央距離
    • 震央から観測地までの直線距離

※揺れは、同心円状に伝わっていきます。

図7.2.1-1 P波S波と円心円状の揺れ
図7.2.1-1 P波S波と円心円状の揺れ
7.2.2. BrilliaCity横浜磯子が提供する安心
「緊急地震速報」の受信装置(各住戸インターホン)

このマンションには、地震発生後、主要動が来るまでの間に、当該地における、地震の揺れの大きさ・主要動が来るまでの時間をインターホンからお知らせするシステムが装備されています。

安全装置付エレベーター

エレベーターには「P波センサー」が装備されており、大きな揺れの到来を待たずに、初期の微動を感知した段階で、速やかに最寄階に停止します。
7.2.3. 個人でできる備えと対応(緊急地震速報のメリットを生かし、すぐに行動する)
緊急地震速報によるアナウンスが流れたら、大きな揺れが来るまでの最大でも数十秒程度の短い時間の中で、自分と家族の身を守るための行動をします。

以下参照
  • 7.2.4 必ず行いましょう!
  • 7.2.5 余裕があれば行いましょう! (地震のゆれが来る前に)
7.2.4. 必ず行いましょう!
  • まず火の始末(すぐに火を止め、鍋など熱いものから遠ざかる)
  • 居場所を知らせる(トイレや浴室にいた時は、ドアを開け、大声を出す)
  • あわてて外に出ない(落下物の危険を避ける)
  • ただし避難口は確保(ドアや窓を開放する)
  • 大型家具や家電から離れる(押しつぶされないようにする)
  • 身の安全を守る(窓や戸棚などガラスから離れ、テーブルや机の下に隠れる)
  • 家族を助ける(乳幼児・お年寄りがテーブル・机の下に入れるように助ける)
7.2.5. 余裕があれば行いましょう! (地震のゆれが来る前に)
  • ガスや電気をOFFにする(ガスの元栓を締め、ブレーカーを切る)
  • スニーカーを履いたり軍手をはめる (ガラスや食器の破片によるケガを防ぐ)
  • カーテンを閉める(窓ガラスの飛散を防ぐ)
  • テレビやラジオをONにする。
7.2.6. マンション全体で協力できること
平常時に管理組合で、緊急地震速報が流れた場合の「室内の行動訓練」、「近隣のお宅への声掛け(家具倒壊大丈夫?、火の元大丈夫?)や安否確認の訓練」、エレベーターが最寄り階に緊急停止した後の「共用部での行動訓練」をしておくと良いでしょう。

<緊急地震速報のしくみ>
緊急地震速報は、地震による強い揺れを事前にお知らせすることを目指す防災の情報システムです。

具体的には、「伝わるのは速いが揺れの弱い【P 波】」と「伝わるのは遅いが揺れの強い【S 波】」の特性( 速度の違い)を利用して、S 波( 強い揺れ)の到着前に各住戸に速報を発信する仕組みです。
注) 直下型地震や震源が近い場合には、速報が間に合わない場合があります。

図7.2.6-1 緊急地震速報のしくみ
図7.2.6-1 緊急地震速報のしくみ

7.3. 揺れが来た!

7.3.1. 想定される状況
建物は、地震で生じる揺れに耐えるように設計されています。
ただし、大地震の場合は、地震エネルギーがそのまま建物内部に伝わり、通常立っていることはできなくなります。
7.3.2. BrilliaCity横浜磯子が提供する安心
地盤調査・地盤対策

Brilliaでは、地震動に対する建物の基礎・構造面での適切な対策を行うため、十分な地盤調査を実施し、通常、建物の支持地盤が地表面近くにある場合は「直接基礎」を、地中深くにある場合は「杭基礎」を採用しています。
本物件では、建物の重量を支えることのできる固い層に杭を打ち込む「杭基礎」を採用しています。
図7.3.2-1 地盤調査・地盤対策
図7.3.2-1 地盤調査・地盤対策


新耐震基準による耐震等級1の確保

現在の耐震基準は、19 81年にできたもので、それ以前の耐震基準(旧耐震基準)と区別するために「新耐震基準」と呼ばれています。
耐震等級1とは建築基準法の基準を満たし、「数百年に一度」程度発生する地震(震度6強程度)による力に対して「倒壊、崩壊」等せず、「数十年に一度」程度発生する地震( 震度5 弱程度)による力に対して「損傷」を生じないレベルです。

コンクリートと鉄筋の対策

コンクリートの劣化対策として最高レベルの〈等級3〉を確保しています。
また鉄筋コンクリートの柱を回りから締め付けるフープ筋(鉄筋)は、フックのないもの(溶接閉鎖型)を使用し、より高い耐震性を確保しています。
7.3.3. 個人でできる備えと対応
耐震性能を信頼し、揺れが収まるまで、建物の中で待機することで、屋外でのガラスや看板などの落下物の危険を避けることができます。

7.4. 危険発生!

7.4.1. 想定される状況
地震による揺れに伴って、一般に以下のような状況の発生が考えられます。

  • 家具・什器の移動、転倒
  • キッチンでの火災の発生
  • 玄関ドア枠、ドア本体のゆがみと脱出困難
  • エレベータの停止・閉じ込め
  • 窓ガラスの落下
  • エアコン室内機の落下
  • けが人の発生
7.4.2. BrilliaCity横浜磯子が提供する安心
安全装置付きエレベーター

地震時は最寄階で停止し、揺れの終了後、自動診断を行い再スタートします。
ただし大地震時には、最寄階で停止後、停電していなくても、保守管理会社の点検を受けるまでは使用できません。
停電時にはバッテリー電源で最寄階に着床します。

対震仕様の玄関扉

玄関扉は、揺れによってドア枠がある程度変形しても、開閉ができるようになっています。
図7.4.2-1 耐震ドア枠
図7.4.2-1 耐震ドア枠


家具転倒防止用壁下地

キッチンと和室の一部には、家具転倒防止用の下地が施工されています。
転倒防止金具を取付ける場合、取付け業者等に位置を伝えてください。

耐震ラッチ、棚板転び止め、足元保安灯

耐震ラッチや棚板の転び止めによって、収納品が外に飛び出すのを防止しています。
また廊下には停電時でも点灯する足元保安灯を設置しています。

AEDの設置


マンション管理スタッフの講習等受講(救命講習)
7.4.3. 個人でできる備えと対応
大きな揺れが始まったら、動き回らず、テーブルや机の下に隠れます。
クッションなどで頭と足を特に保護し、ガラスの破片で頭・眼・顔・足元を怪我しないようにします。
コンロの火がすぐに消せない場合は、揺れが収まってから消すようにします。
建物の構造自体は安全でも、地震時には、室内が大きく揺れるため、タンスや本棚、冷蔵庫などの家具を転倒防止金具で固定しておくと安全です。
7.4.4. グランドエレベーター棟の防災対策
図7.4.4-1 グランドエレベーター棟の防災対策
図7.4.4-1 グランドエレベーター棟の防災対策


地震の場合

エレベーター運転中に地震の揺れを感知した場合には、図内の1~3の何れかに着床し、自動的にドアが開きます。
2の非常着床フロアは、1~3のちょうど中間部にあり、普段は使用していませんが、地震時にはエレベーター内の閉じ込めを回避するために使用します。
もしこの階で停止した場合には、内部階段に移動して避難してください。
1(2F)と、3(1F)にある、内部階段からの出入口は、内側(階段室)→外側へは常に開いています。
外側→内側(階段室)は、平常時は閉じていますが、火災発生時又は停電時には開きます。


停電の場合も、非常着床フロアに停止することがあります。
その場合も、上記を参考にしてください。
(なお、内部階段の照明は停電後30分間点灯します)

火災の場合

もし図内の1(2F)で火災が発生した場合には、エレベーターは3(1F)に着床し、3(1F)で火災が発生した場合には1(2F)に着床します。

図7.4.4-2 内部階段
図7.4.4-2 内部階段

図7.4.4-3 非常着床フロア
図7.4.4-3 非常着床フロア

7.5. ライフラインの停止

7.5.1. 想定される状況
地震時の揺れと地盤の変化により、以下のような状況の発生が考えられます。

  • 停電で家電製品や照明が使えない
  • 地中や建物内の埋設管の損傷等で断水し、飲料水、生活用水、トイレ用水が入手困難になる
  • 電気・水道・ガスの供給が停止し、調理ができない
  • 食料の調達が困難になる
  • 通信回線が麻痺し、電話やインターネットがつながりにくくなる
7.5.2. BrilliaCity横浜磯子が提供する安心
阪神・淡路大震災の経験を踏まえて、地震後の状況を想定し、必要な物品を予め備えています。
ただし、家庭で用意できない機材類しか備蓄していません。
飲料水、食料、使い捨てトイレなどは、各家庭で充分な量を備蓄してください。

表7.5.2-1 マンションで備えてるもの・個人で備えるべきもの一覧
  想定される状況   マンション全体の備え
(防災備蓄)
個人の備え
(防災セット)
負傷者の手当て 救急セット、担架 救急セット
消火、閉じ込めの救出 救助工具セット 軍手
壊れた建物の応急処置
連絡を取る、安否確認 強力ライト (家族内連絡用緊急情報カード、硬貨)
情報を得る、知らせる ラジオ、伝言シート 防災マニュアル、多機能ラジオ



使


飲料水不足 井戸、浄水装置、水中ポンプ、使い捨てトイレ、マンホールトイレ、災害対応型自動販売機 (ペットボトル)
トイレ使用不能 携帯トイレ、(ティッシュ)
調理・片付不能   ヒートパック、(食器、ラップ、多機能ナイフ、ライター)
入浴できない 防災風呂 (タオル、ウエットティッシュ)
洗濯できない   (着替え)
外部から給水 給水ポリタンク  
電気、ガスが来ない 非常用発電機、ポータブル発電機、投光機、燃料、コードリール、ガソリン携行缶、ハイブリッド街路灯、かまどベンチ (カセットコンロ)
食料品の不足   (乾パンなど非常食)
寒さをしのぐ   (防寒具)
避難・移動・運搬する ヘルメット、ハンドメガホン、救助ロープ、台車、防水シート アルミック救急シート、オリジナルリュック
物を探す、貴重品を保護する   (防水ライト、貴重品ポーチ(予備鍵、通帳、保険証、免許証、パスポート、印鑑等)








女性   (生理用品、鏡、ブラシ、化粧品など)
高齢者   (おむつ、着替え、予備のめがね、医薬品(処方箋のコピー))
赤ちゃん   (粉ミルク、哺乳瓶、離乳食、スプーン、洗浄綿、バスタオル、ガーゼ、紙おむつ、母子手帳、玩具、着替え等)
(カッコ) で記載したものは各世帯で用意するものの例
7.5.3. マンションで備えてるもの「水」「トイレ」
大地震など、地域のライフラインが途絶する状況の中で、当面の健康を維持するためには、「水」と「トイレ」の確保が最も重要だと言われています。
これについて、BrilliaCity横浜磯子では、次のような対応をしています。

防災井戸、浄水装置

当マンションでは、ヒルトップモール南西側(貴賓館西側)の敷地内通路沿いに「防災井戸」を設置しています。
そこで汲み上げた水は、高性能の浄水装置(WELL UP)を用いて、飲料水として生成します。
1時間に600リットルすなわち1.5リットルのペットボトルで400本の処理能力があります。
なお停電時は、井戸のポンプと浄水装置に、発電機から電気を供給して稼働します。
また、各棟の防災備蓄倉庫にも、小型の浄水装置を配備しています。
図7.5.3-1 防災井戸と浄水装置
図7.5.3-1 防災井戸と浄水装置


使い捨てトイレ、マンホールトイレ

水道が断水し、トイレが使えなくなった場合は、各家庭で備蓄している「使い捨てトイレ」を活用し、各戸の便器にその都度セットしてご使用ください。
(防災備蓄倉庫にある「使い捨てトイレ」は数に限りがあります。各家庭で7日分以上を備蓄してください。)
なお、震度5強以上の地震の際には、下水道破壊の恐れがあり、指示があるまでトイレの水や台所・風呂の水を流すのは厳禁です。

それも使い切った場合には、防災備蓄倉庫にある「マンホールトイレ」を外構部の汚水桝(位置は折込別紙に記載)の上に設置して共同で使用してください。
椅子状のフレームに便座シートをセットし、床プレートに差し込んだ後、マンホールの上に置きます。
最後にテントをかぶせてください。
マンホールトイレでは、便を流す水が必要です。
ポリタンクなどをご用意ください。
図7.5.3-2 使い捨てトイレ・マンホールトイレ
図7.5.3-2 使い捨てトイレ・マンホールトイレ


直結給水による共用水栓とトイレ

各戸の水道は、増圧ポンプを使って給水しているため、停電時には使用できなくなります。
しかし、マンション内のいくつかの水道は、ポンプを介さずに水道本管に直結していますので、停電時でも水道が断水していなければ、使うことができます。
直結しているのは、外構部の共用水栓や管理事務室の水道、管理用トイレ・多目的トイレ(一部除く)などです。
図7.5.3-3 直結給水による共用水栓と、管理用トイレ
図7.5.3-3 直結給水による共用水栓と、管理用トイレ


防災風呂

水道が断水すると、シャワーや入浴ができなくなります。
このような状況に対応するため、当マンションでは「防災風呂」のシステム一式を、ヒルトップモール内の倉庫に備えています。
1回(15分~20分)あたり10名、1時間で約40名が使用可能です。
掛け湯とシャワーのみなら、1時間で約60名が可能です。
阪神・淡路大震災の時には、AM9: 00~PM10:00までに、約1,000名が使用した実績があります。
その特徴は次のとおりです。
  • 冬期でもシャワー6台が同時に使用可能
  • お風呂の追い炊きができる(自動湯温調節)
  • 固形薬剤による消毒で感染症対策を実施
  • 油タンク満タンで連続5時間使用可能

※ 防災風呂については、その運用方法については検討段階にあり、今後実用化に向けて取り組んでいきます。
図7.5.3-4 防災風呂
図7.5.3-4 防災風呂
7.5.4. マンションで備えてるもの「発電機」「照明」
大地震等による停電が発生した場合のために、次のような備えをしています。

非常用発電機

停電時、ヒルトップモールと駐車場棟、グランドコンシェルジュには、非常用発電機があり、火災時の消火機能を確保する他、下記の設備に電気が供給されます。
図7.5.4-1 非常用発電機
図7.5.4-1 非常用発電機

表7.5.4-1 非常用発電機からの電気供給先(火災対応以外のもの)
  設置場所     電気供給先     供給時間※  
ヒルトップモール
  • 加圧給水ポンプ
  • エレベーター
  • 多目的スペース・多目的トイレ・防災備蓄倉庫の一部照明とコンセント
約2.5時間
駐車場棟
  • エレベーター
  • E棟エントランスホール・管理事務室の一部照明とコンセント
約2.5時間
グランドコンシェルジュ グランドコンシェルジュ・管理事務室の一部照明とコンセント 約3時間
※上記供給時間はあくまで目安であり、停電時に火災が発生した場合は使用できません。


ポータブル発電機とハロゲン投光器

各棟の防災備蓄倉庫には、ガソリンで稼働するポータブル発電機があり、燃料のガソリンも缶詰で備えられています。
また発電機に接続して使用できるハロゲン灯光器もあり、エントランス等に設置することで、停電時の安全や保安の確保に役立ちます。
図7.5.4-2 ポータブル発電機とハロゲン投光器
図7.5.4-2 ポータブル発電機とハロゲン投光器


フットライトの自動点灯

夜間の停電時に備え、住戸内の廊下にフットライトを設置しています。
停電時には自動点灯して足元を照らし、取り外せば懐中電灯として利用できます。
図7.5.4-3 フットライト
図7.5.4-3 フットライト


風力・ソーラーのハイブリッド街路灯

マンション敷地内に風力と太陽光で発電する街路灯が6 台設置されています。
照明の他、下部の非常用コンセントボックスにはAC100Vのコンセント口とUSB電源口があります。
図7.5.4-4 風力・ソーラーのハイブリッド街路灯
図7.5.4-4 風力・ソーラーのハイブリッド街路灯
7.5.5. マンションで備えてるもの「その他」
その他、ライフラインの停止に備えて、次のような設備があります。

災害対応型自動販売機

住宅棟(L棟除く)に設置する自動販売機は「災害対応型」とし、大地震などでライフラインが被害を受けた場合には、自動販売機内の全ての飲み物が「無償提供」に切り替わります。


かまどベンチ

D棟には、かまどとして使用できるベンチが設置されています。
ガスや電気での調理ができなくなった場合の手段として活用することができます。
図7.5.5-1-かまどベンチ
図7.5.5-1-かまどベンチ
7.5.6. 個人でできる備えと対応
電気関係(灯り、情報)

各戸にお配りしている防災セットの中には、多機能ラジオ(マルチ防災ツール)があり、ラジオとライトの機能がありますが、各部屋に懐中電灯やLEDランタンなどを用意しましょう。


飲料水は一人1日3リットル×7日分以上※ を備蓄してください。

トイレ

震度5強以上の地震の際には、下水管破壊の恐れがあり、指示があるまでトイレの水や台所・風呂の水を流すのは厳禁です。
また、停電になると電気、水、トイレも使えなくなります。
水洗トイレが使えなくなることを想定し、「一人1日5~7回程度の排泄×7日分以上※×家族分」の使い捨てトイレを備蓄しておく必要があります。

ガス

カセットコンロを予備のカセットガスと一緒に備えておきましょう。

食料

非常事態であることを考えて家族が最低限の量で7日間以上※生きのびる量の保存食を備えておきましょう。
具体的には、ハイカロリーなバランス栄養食を1日あたり2食分用意するのが良いでしょう。
ただし、災害時は、せめておいしいものを食べて元気を出したい時もあります。
そのため、できるだけ簡単に食べられるカップラーメンなども用意しておくと良いでしょう。


災害時は、避難所は密集・密閉・密接の「3密」になりやすいため、マンションは、居住できる状況であれば在宅避難が前提です。
大規模な停電等が起きるかもしれないので、飲料水、食料、使い捨てトイレなどの防災備蓄品は10日以上の蓄えが必要とも言われています。
ただし、万が一、避難をしなければならない場合は、電気のブレーカーを落としましょう。
(通電火災防止のため、感震ブレーカーをつけておくと安心です。)

電話

最近の電話は、電気を使用するものが多いため、停電時に(電気を使わなくても)通話だけは可能か、普段から確認しておきましょう。
また、固定電話よりも公衆電話のほうが、通話規制を受けにくいことから、マンション近くの公衆電話の位置を、一度確認しておきましょう。
ただし、停電時にはテレホンカードが使えないため、「10円硬貨」を備えておきましょう。
7.5.7. マンション全体で協力できること
BrilliaCity横浜磯子の防災備蓄倉庫には、各戸では備えることのむずかしい浄水装置、水中ポンプ、マンホールトイレ、発電機、強力ライト、台車や担架等の備品が備えられており、緊急時の炊き出しや避難などに威力を発揮します。
こうした備品は、何もしないと埃をかぶって放置されたままになるため、1年に1度は、劣化の点検やマンション内の交流も兼ねて、使用方法を確認してみる(試してみる)ことをおすすめします。
7.5.8. 各戸の防災セット
次表には、各家庭で備えておくと災害時に便利なグッズを記載しています。
この内、BrilliaCity横浜磯子では●印のものを、オリジナルリュックに入れてご入居時にお渡ししています。
●印が付いていないものは、必要に応じて各家庭で追加してください。

表7.5.8-1 各戸の防災セット一覧
  想定状況   個人の備え
(防災セット)
留意点 Brillia防災セット
負傷者の手当 ばんそうこう 傷口保護 1セット
消火・閉じ込めの救出 軍手 避難時の怪我防止 2双
連絡を取る
安否確認
家族内連絡用情報カード 連絡先記載    
硬貨 公衆電話    
情報を得る
知らせる
多機能ラジオ(マルチ防災ツール)
  • LEDライト
  • 救命用LED
  • FMラジオ
  • サイレン
  • 携帯電話充電器
1個


使


飲料水不足 ペットボトル 一人1日3リットル    
トイレ使用不能 使い捨てトイレ 一人1日5~7回 5個
ティッシュ      
調理・片付不能 ヒートパック(発熱剤) 水を混ぜると発熱
レトルト製品等温め可能
5個
食器 食器    
ラップ 食器洗浄しないで済ませる    
多機能ナイフ      
ライター 着火用    
入浴できない タオル、ウェットティッシュ      
洗濯できない 着替え      
外部から給水      
電気・ガスが来ない カセットコンロ 調理用    
食料品の不足 乾パンなど非常食      
寒さをしのぐ 防寒具      
避難・移動・運搬する アルミック救急シート 保温効果、熱遮断効果 1枚
オリジナルリュック(椅子付)   1個
物を探す
貴重品を保護する
防水ライト      
貴重品ポーチ
  • 予備鍵
  • 通帳
  • 保険証
  • 免許証
  • パスポート
  • 印鑑等
   








女性
  • 生理用品
  • ブラシ
  • 化粧品等
個人の使い慣れたもの    
高齢者
  • おむつ
  • 着替え
  • 予備の眼鏡
  • 医薬品(処方箋のコピー)
個人の使い慣れたもの    
赤ちゃん
  • 粉ミルク
  • 哺乳瓶
  • 離乳食
  • スプーン
  • 洗浄綿
  • バスタオル
  • ガーゼ
  • 紙おむつ
  • 母子手帳
  • 玩具
  • 着替え等
個人の使い慣れたもの    


オリジナル防災リュック

  • 折りたたみ式の椅子とリュックがセットになっています
  • 中には、前表で●を付けた物品が入っていますが、ご家族の状況に応じて、必要なものを追加してください
  • 玄関のシューズインクローゼットにリュックの保管専用のスペースを設けており、椅子が付いた形のままで収納することができます

図7.5.8-1 オリジナル防災リュック
図7.5.8-1 オリジナル防災リュック


多機能ラジオ(マルチ防災ツール)

以下の5機能が一体化している製品です。
  • 携帯電話充電
  • FMラジオ
  • LEDトーチライト(ホワイト)
  • 救命用LEDライト(レッド)
  • 救命用サイレン

※本製品はハンドルを回すことにより、発電を行って内蔵電池に蓄電します。ただし携帯電話機へは直接充電しますので、充電中でも他の機能を使用することが可能です。
※ご使用にならない場合でも3ヶ月~半年に一度、充電してください。
※本製品は防水仕様ではありません。
図7.5.8-2 多機能ラジオ(マルチ防災ツール)
図7.5.8-2 多機能ラジオ(マルチ防災ツール)


ヒートパック

  • 火や電気を使わずに、水を注ぐだけで、発熱し、食品等を簡単に加熱調理できる発熱剤です
  • 缶詰やレトルト食品などの温めに最適です
  • 注ぐ水は、その袋に入れる他のものを温めるためですので、緊急時は、お風呂の水でもかまいません

図7.5.8-3 ヒートパック
図7.5.8-3 ヒートパック


使い捨てトイレ

小型・軽量のため、持ち運びに便利な使い捨てトイレです。
  1. 黒い袋の上部をミシン目から切り取ります。切り取った部分は用便後に袋を縛るヒモになります。
  2. 黒い袋を広げて便器にかぶせます。
  3. 小便では薬剤を入れてから用を足します。大便では、薬剤の半分を入れて用を足し、排便後残りを振りかけます。
  4. 最後に黒袋の空気を抜いてねじり、最初に切り取ったヒモでしばります。持ち帰る時は、同封の白い持ち運び袋を使用します。

図7.5.8-4 使い捨てトイレ
図7.5.8-4 使い捨てトイレ

7.6. 安否の確認・情報収集、避難と協力

7.6.1. 想定される状況
  • 家族の居場所不明
  • マンション内の安否・被害確認
  • 地元の被災情報入手
  • 地方全体の被災状況把握
  • マンション内での助け合い
  • 地元自治会との協力
  • 避難所への移動
7.6.2. BrilliaCity横浜磯子が提供する安心
Brilliaでは、各物件ごとにこの防災マニュアルを作成し、冒頭部分で、地域情報を盛り込んだ「防災マップ」を掲載しています。
(防災マップを片手に、ふだんから街を確認しておきましょう)
7.6.3. 個人でできる備えと対応
地震が平日の昼間に発生すると、家族の安否の確認には時間がかかることが予想されます。
家族内で連絡を取り合う方法をいくつか決めて、何らかの形で安否の確認がとれるようにしておくことが大切です。
可能な限り、下記すべてを行うと良いでしょう。
  • NTTの「災害用伝言ダイヤル171」を使う ※171(イナイ)と覚え、音声ガイダンスに従ってください。一部のIP電話は使えない場合があります。
  • 家族全員に安否メールを送る
  • 遠方の親戚を中継地とし、自分の安否を伝える
  • 携帯電話各社のトップメニュー⇒「災害用伝言板」を使う
7.6.4. マンション全体で協力できること
個々の家で、家族の安否確認も済み、少し落ち着いた段階では、全戸の安否確認を行います。
これは、マンション内で、何かの下敷きになって倒れている人がいないか、死傷者はいないか等を確認する、とても重要な事項です。
また、国や地方の被害状況はラジオを通じて比較的簡単に入手できますが、地元生活圏の状況は、意外とわかりません。
このため、可能な人が地域の状況確認(被災状況、避難所の様子、道路の様子、鉄道の様子、営業している店の情報等)に赴き、結果をマンション入口に掲示すると良いでしょう。